富士登山に熱い思いを持つ四季の旅のアウトドアチームがプロデュースする富士山「完全登頂」プランの登場です。五合目からではなく麓の一合目から富士登山にチャレンジする「イチフジ」です。
　1964年の富士スバルラインの開通以降、五合目からの登山が主流になりました。しかし、五合目からの富士登山では富士山の全ての魅力を味わったことにはなりません。このツアーではあえて一合目から富士登山にチャレンジすることで富士山の本当の魅力をを味わっていただくと共に、山頂に到達したとき、五合目からの富士登山では味わえない格別な達成感を感じていただきたいと考えています。
　一合目からの登山に興味はあるけど、自分にはちょっと無理かも・・・そんな風に思われる方もいると思います。このツアーでは、体力の温存のため、最初に参拝する北口本宮冨士浅間神社から登山道のスタートとなる一合目下の登山口「馬返」まではタクシーを利用します。そのため、最低限の負担で一合目からの登山を果たすことができます。

登山前に参拝するのは、もちろん北口本宮冨士浅間神社です。富士山でいう本宮とはそれぞれの登山道の拠点となる神社のことです。北口登山道つまり今回登る吉田口登山道の拠点にあたる神社ということです。江戸時代に植えられた杉並木の続く参道、富士講の指導者が整備をしたすばらしい社殿、富士吉田の人々のプライドがこめられた大鳥居など見どころがたくさんあります。
　今回の登山口は一合目下の「馬返」です。「馬返」は大型バスで乗り入れることができないため、タクシーに分乗して向かいます。馬返は古より俗界と聖域の境とされてきました。「馬返」で迎えてくれるのは登山道入り口の鳥居とその両側に並ぶ猿の像です。とてもユーモラスでかわいい猿なのですが、なぜ狛犬の代わりに猿がいるのかはツアー当日のお楽しみ♪

一合目から先は、五合目からの登山では味わうことのない「木山」といわれる森の中を歩いていきます。森の中に点在するのは、江戸時代の賑わいを今に伝える史跡たち。今に残るのはわずかな痕跡ですが、そこに隠れたストーリーを分かりやすくお伝えするのが富士吉田市公認の登山ガイドです。さまざまなアナウンスで往時の富士講の賑わいをお客様に感じていただきながら進みます。自分一人で登る場合では気づかないこともお話ししますので、より充実した時間になりますよ。

馬返を出発後、約4時間で六合目の小屋「星観荘」に到着です。星観荘は富士吉田口の「オアシス」とも言われており、やすらぎの時を過ごすことができます。清潔感のあるログハウスのような内装は落ち着いた雰囲気を醸し出しています。ここでしっかりと睡眠がとれるので、一合目から登ってきた疲労を癒し、翌日の登山に備えることができます。夕食は晴れていればみんなでＢＢＱ！天地の境とも言われる富士山の六合目で味わうお肉も最高です。野趣あふれる山小屋前で味わう生ビールも最高ですが、翌日は山頂への登山ですから飲みすぎには注意しましょう。
※8/3発の宿泊は佐藤小屋（五合目山小屋）となります。

さて、五合目からの登山にも時間的に余裕を持って挑むため深夜1時頃スタート！歩きはじめは暗い中でのスタートになりますので、ヘッドライトはお持ちください。吉田口登山道は、登山道のどこからでも御来光が臨めるのが一番のメリットです。七合目付近に到達したころ、東の空から一筋の光が指し、真っ赤な太陽が上がってきます。すばらしい御来光に元気づけられながら、さらに頂上へと向います。五合目から上は「焼山」といわれ溶岩だらけの世界ですが、足元にも目をこらすと、ところどころに「オンタデ」や「イタドリ」といった植物が生きています。厳しい環境でも、力強く生きる植物たちにも元気づけられながら、登山道は胸突き八丁とよばれる最後の踏ん張りどころへと入っていきます。山頂御来光の時間であれば混み合い渋滞することもありますが、このツアーで登る時間帯は渋滞知らず。じっくり自分と向き合いながら力を出し切りましょう。山頂に到達したとき、一合目の登山口がはるか眼下に見え、「自分の足でここまで登ったのだ！」と実感し、一合目からの登山ならではの感動を味わうことができると思います。

山頂についたら、火口を一周する巡礼の道、「おはち巡り」へ。古来、富士山の山頂は極楽浄土だと考えられていました。山頂には八つの峯があり、それぞれの峯に仏様が宿ると考えられていたのです。それらを1周することで、富士山の信仰登山が極められるのです（おはち巡りはオプショナルツアーのため当日1,100円(2023年に料金変更となりました。)をスタッフが集金致します。また気象条件やツアーの進行状況によっては実施できないこともありますのであらかじめご了承ください）。
　山頂を極めたら、富士スバルライン五合目に向かって下山開始。下山道はつづらおりの砂礫の道。力を抜いてリズムよく降りていきましょう。状況によりますが、下山はお客様各自で自由に下山していただき、スタッフは最後尾よりフォローする形をとります。
　スバルライン五合目からはバスで下山します。疲れ切った足で一合目まで下山することはありませんので、ご安心ください。スバルライン五合目は土産屋も充実していますし、小御岳神社という神社もありますから最後に参拝させていただきましょう。

最後は入浴施設で汗を流して、富士登山を締めくくっていただきたいと思います。
　五合目からの富士登山では味わうことのできない自然と歴史、そしてなにより麓から登る「イチフジ」の感動をぜひ１人でも多くのお客様に味わっていただきたいと思います。