伊勢神宮の魅力とは

日本の心を象徴する伊勢神宮は、特別な聖地でありながらこの地に来られた誰もが「特別」な何かを感じる場所でもあります。特別な何かの捉え方は、訪れた人それぞれ違うかもしれません。
それは、二千年にもおよぶ聖地の美しさ、神が宿る鎮守の森と豊かな自然、神域の澄み切った空気と肌触り、風になびくご正宮御幌の心地よさ、常に若々しいエネルギーに満ち溢れている生命の輝きを願う「常若」の思想、どれをとっても心にうるおいと安らぎを与えてくれます。
毎日の当たり前という生活に感謝し神々の「おかげ」をいただき、生かされていることに感謝することで、新しい気持ちで明日に向かっていこうと教えてくれる場所が、伊勢の神宮の魅力ではないでしょうか。

伊勢神宮のお参りは、まず外宮から。

■豊受大神宮（外宮）

正式には「豊受大神宮」といいます。外宮の呼称は、内宮に対しての「外つ宮」（とつみや）を意味します。
御祭神は、豊受大神さま。天照大神さまの御饌都神であります。
トヨウケの「ケ」とは、食・饌のことであり、豊かな食物の神であることを意味し、衣食住と産業全般の神さまでもあります。
雄略天皇二十二年（四七八年）、丹波の国、比冶の真奈井（現京都府、天橋立付近）にいます、我が御饌都神を迎えて欲しいと仰せられ、皇大神宮鎮座より約五百年後のこの山田原の地に御饌殿を設けたと伝えています。
外宮では毎日朝夕の二度、国家の安寧と皇室の弥栄を祈念する「日毎朝夕大御饌祭」の祭典が行われています。

豊受大神宮（外宮）は、豊受大御神さまをご祭神とし、お米などの穀物だけでなく衣食住とすべての産業の神様として崇められています。また、約89ヘクタールの宮域は豊かな緑で覆われています。いつの時も降り注ぐ木漏れ日を感じながら、のんびりとゆっくりと歩くことをお奨めします。

私のお奨めの場所はこちら。「ご正宮古殿地」。
遷宮以前に社殿が建っていた旧土地です。小さな小屋の覆屋の中には「心御柱」があり、神職が口にすることがはばかれるほど、神宮内では神聖なるものとされています。

二千年前からつづく最高峰の聖地。

■皇大神宮（内宮）

皇大神宮（内宮）は、正式には「皇大神宮」といいます。
神路山を水源とする五十鈴川の川上に鎮座し広大な境内には、天照大御神さまが鎮座する御正宮のほか、２つの別宮と所管社１０社が祀れています。
垂仁天皇の皇女 倭姫命が宮地を求めて大和から伊賀、近江、美濃など巡られ、「この神風の伊勢国は、常世の浪重浪帰する国なり。傍国の可怜し国なり。この国に居らむと欲ふ」という、天照大御神さまの教えによって、垂仁天皇の即位26年（紀元前4年）に、神路山・島路山を源とする五十鈴川の川上にご鎮座された「日本人の総氏神」です。

皇大神宮（内宮）は、天照大神さまをお祀りし、もっとも丁寧な称え方は「天照坐皇大御神（あまてらしますすめおおかみ）です。天照大神さまは、太陽にたとえられる生命を育む神であります。御霊代（ご神体）は、三種の神器の八咫鏡。鏡はありのままの姿を写し、正直であれという教えの象徴でもあります。

天孫降臨、天壌(てんじょう)無窮(むきゅう)の神勅(しんちょく)、宝鏡(ほうきょう)奉斎(ほうさい)の神勅(しんちょく)、斎庭(ゆにわ)の稲穂(いなほ)の神勅(しんちょく)と呼ばれる、神話が伝えるとおりの営みが現在も続けられているのは、「日本人の心の源郷」です。
私のお奨めの場所はこちら。天照大神さまの荒御魂を祀る「荒祭宮」。
神霊の働きの中でも特に積極的・活発的な面を発する場所でもあり、これから何か事を起こすに当たりご加護を得ようとお参りされます。ただ、ご正宮だけご参拝されてお帰りになられる方が多いですのでこちらもお立ち寄りください。