この記事は、「身延山久遠寺のしだれ桜・富士山本宮浅間大社のソメイヨシノ 日帰り1日間」の紹介記事です。(2024年2月27日参加)
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最初に、自由昼食に関するアドバイスをさせていただきます。このバスツアーでは、身延山ロープウェイ近くにある「せいしん駐車場」に到着します。おそらく、その後すぐにロープウェイに乗り、奥之院思親閣に向かうことになるでしょう。到着するのは、おそらく11時前後と思われます。
しかし、せいしん駐車場の近辺には食事処がありません。そこで、自由昼食をとるための3つの選択肢をご案内します。
- 談合坂SAでお弁当やおにぎりを購入し、バス内で食べる(観光時間が多くとれます)。
- 奥之院の展望台やテラスでお弁当やおにぎりを食べる。
- 奥之院の山頂展望食堂『身延庵』(食事処はここだけ)で、身延の特産である湯葉料理を味わう。または、売店『身延屋』で串(苦死)切り団子などを購入するのもおすすめです。
それでは、身延山久遠寺のしだれ桜と富士山本宮浅間大社のソメイヨシノを巡る日帰りバスツアーに出発しましょう。
目次
身延山久遠寺のしだれ桜
身延山ロープウェイで奥之院思親閣へ
新宿を7時15分に出発し、トイレ休憩を談合坂SAで取り、10時45分に「せいしん駐車場」に到着しました。ここから身延山ロープウェイの久遠寺駅へ、1分ほどの斜行エレベーターに乗って向かいます。斜行エレベーターと呼ばれるものですが、実際は地上ケーブルカーです。
久遠寺駅で添乗員から身延山ロープウェイの往復乗車券を受け取り、ここから約3時間の自由時間が始まります。
ほとんどの人がロープウェイに乗って、奥之院思親閣へ向かいます。乗車時間は約7分で、空中散歩を楽しむことができます。
ロープウェイの進行方向の右側ですと、後で紹介する南側展望台と同じように、素晴らしい富士山の景色を楽しむことができます。
日蓮聖人が親を慕った奥之院思親閣
日蓮聖人は幕府に三度意見を述べましたが、受け入れられず、山中に隠れることにしました。そして、1274年5月17日に身延山に入りました。そこで、9年間にわたって法華経を読誦(どくじゅ)し、門弟たちに教えを説きました。そして、1281年11月24日には旧庵を廃して本格的な堂宇を建築し、自ら「身延山妙法華院久遠寺」と命名されました。
奥之院思親閣は、身延山の山頂(標高1,153メートル)にあります。思親閣の名前は、日蓮聖人が故郷である房州小湊の両親を偲び、追慕したことに由来します。思親大孝の精神が息づく場所であり、多くの参詣者が訪れています。
(写真上)建物の手前左に曲がり、階段を上がっていくと、左に日蓮聖人立像があり、左右には御手植え杉があります。その向こうに仁王門が見えます。
日蓮聖人の御手植え杉と仁王門
日蓮聖人の御手植え杉は、左右に1本ずつそびえ立っています。
仁王門と祖師堂
仁王門をくぐると、祖師堂になります。祖師堂とは、仏教や宗教の中で、その宗派の創始者や重要な人物の像や位牌を祀る場所のことです。祖師堂の前には、お線香が用意されています。
祖師堂の左側には本師釈迦牟尼佛があります。投げ銭はせず、賽銭箱に入れてお願いしましょう。
なお、左奥に進むと次の北側展望台に出られます。
奥之院思親閣の御朱印
奥之院思親閣や身延山久遠寺の御朱印の初穂料は「心付け」ですので、500円ないし、千円札を用意しておくと良いでしょう。
身延山山頂の4つのパノラマ展望台
身延山山頂には4つの展望台があります。天気が良い日は、その眺望は素晴らしく、心身が浄化されます。北側展望台
中央に見える山並みは鳳凰三山です。右後ろに少しだけ白く見えるのが八ヶ岳連峰で、右奥がなんと奥秩父山系です。鳳凰三山の左奥が白峰三山で、さらに左の方が荒川三山との案内があります。(各展望台には写真つきの案内があります)南側展望台
北側展望台から眺めた後、また奥之院思親閣の前に戻ります。その左側に1〜2分歩くと、南側展望台に着きます。正面左に、富士山がどーんと見られます。雪で覆われた富士山は、富士山でも一番美しいのではないでしょうか。
なお、このような富士山の眺望は、身延山ロープウェイの上りでは、右側から見られます(下りでは、左側)。
そして、右下に富士川が流れています。富士川の奥方向の山並みの向こうが駿河湾になります。
七面山展望台
身延山ロープウェイの奥之院駅から前方に進むと、七面山展望台に出られます。眺望の山並みには、七面山奥之院と七面山敬慎院があります。七面山奥之院は、日朗上人たちが休んでいる間に、大きな石の上に七面大明神が現れて迎えました。日朗上人はその大きな石を「影嚮石(ようごうのみや)」と名付け、祠を建てて七面大明神を祀りました。これが七面山奥之院の始まりです。
七面山敬慎院は、山頂に近い平坦な地に身延山を守護する鎮守神である七面大明神を祀り、参詣する人々で賑わっています。
東側展望台
身延山ロープウェイ奥之院駅に最も近い展望台です。南側展望台と同じような富士山の景色が楽しめます。せいしん駐車場から三門へ。川沿いの桜を鑑賞(写真)
身延山ロープウェイ近くにある「せいしん駐車場」に到着する前に、三門の前を通ります。その際、桜の咲き具合を車窓で見ていましたので、駐車場から三門まで歩いて行こうと思いました。せいしん駐車場から三門までは徒歩20分ほどで、ゆっくり歩いても30分です。なお、坂がきつい方のために、往復の専用バスが出ています。片道有料250円(2024年2月27日現在)。
桜の景色には説明は不要だと思いますので、じっくり見てくださいね。
途中に日蓮聖人御墓御草庵跡へ行く入り口がありますが、今回は身延山久遠寺をゆっくり周りたいので、御墓御草庵跡へ行くのは止めました。次回訪問する時の楽しみにしておきます。
三門の桜が一番咲いていたでしょうか。三門とのベストな写真が撮れました。
身延山久遠寺の三門〜菩提梯〜本堂は涅槃への道
三解脱を表す三門と、涅槃に見立てた本堂を一直線に結ぶ菩提梯。ここには、三解脱をした者が、最後の難関を経て涅槃へ行きつくというストーリーが再現されています。
(身延山久遠寺 – 身延町観光情報サイト「みのラブ」より)
三門とは「空」「無想」「無願」
仏教の考え方に基づいて、解脱(苦しみや束縛から解放されること)を表すために「空」「無想」「無願」という考えを示しています。菩提梯(ぼだいてい)の石段287段
三解脱を表す三門と、涅槃(解脱後の安らぎ)を象徴する本堂をつなぐ階段です。この階段は、涅槃に到達するまでの試練を再現しています。天に向かって伸びる石段は287段あり、南無妙法蓮華経を唱えながら登ると、41回目で頂上に着くようになっているそうです。
ご覧の通り、菩提梯は急勾配で、一段が30cm近くあり、相当な登り坂です。後半になると、トクトクと心臓が脈打ち始め、踊り場で休むしかありませんでした。涅槃に到達するまでの試練ですので、ゆっくりとしたペースで登りましょう。
涅槃への試練の先には、五重塔が迎えてくれます。桜が咲いていれば、まさに涅槃に来たという感じでしょうか。
最後に、菩提梯を振り返って見下ろしてみました。急な階段ということが、よくわかるのではないでしょうか。
身延山久遠寺の本堂は涅槃の世界
日蓮大聖人など15体の仏像が祀られています。天井には、日本画の巨匠である加山又造が描いた「墨龍」があります。この絵は、どこから見ても目が合うようになっていると言われる傑作です。[本堂内撮影禁止]
祖師堂・御真骨堂(拝殿)
本堂の右にあるのが祖師堂。祖師堂とは、仏教や宗教の中で、その宗派の創始者や重要な人の像や位牌を祀る場所のことです。
御真骨堂(ごしんこつどう)の拝殿。この後ろに白亜の八角形の御真骨堂があり、日蓮聖人の遺骨を祀っています。
身延山久遠寺のしだれ桜
身延山久遠寺のしだれ桜は、よく雑誌などで紹介されています(写真下では右下にある桜)。樹齢400年だそうです。
次の写真2枚は、開基堂の右にあるしだれ桜になります(上の写真では左)。
開基堂には、身延山久遠寺の創設者である南部六郎実長という人物の像が安置されています。
仏殿前のしだれ桜です(写真上・下)。仏殿は、仏教の儀式が行われる場所であり、一部には故人や先祖を祀る納牌堂が含まれています。
祖師堂、本堂前に戻って、全景を撮影して、身延山久遠寺ともお別れです。
身延山久遠寺の御朱印
富士山本宮浅間大社と信玄桜
身延山久遠寺から約60分で、鳥居前の駐車場に到着しました。富士山本宮浅間大社は、全国に1,300余りある浅間神社の総本社として知られています。自由時間は約80分ですから、ゆっくり周れます。なお、晴れていれば、鳥居の右方向に富士山が見えるのですが、今日は曇りで見えません。
参道は一直線で、楼門・拝殿・本殿へと続いています。
石鳥居をくぐると、右にある流鏑馬像です。源頼朝が富士山のふもとで「巻狩り」という行事をしたとき、富士山の本宮である浅間大社に流鏑馬(やぶさめ)を奉納し、戦いでの成功と平和を祈ったことから、この像の歴史が始まります。
富士山本宮浅間大社・楼門
1604年に徳川家康によって建てられました。この門は二階建てで、正面と両脇に扉があります。楼門の上に掲げられた扁額は、聖護院入道盈仁親王が文政2年に書いたものです。
鉾立石
かつて行われていた「山宮御神幸」の際に、神の宿った鉾を立てて休めるために使用された石です。
富士山本宮浅間大社には、「信玄桜」を含め、約500本の桜の木があります。満開になれば、かなり華やかな景色が見られたことでしょう。
富士山本宮浅間大社・拝殿と本殿
富士山本宮浅間大社の拝殿
徳川家康が建てたもので、屋根は本殿と同じく檜皮葺き(ひわだぶき)で、外側・内側は丹塗りとなっています。拝殿は、間口5間(9.1m)、奥行5間です。
富士山本宮浅間大社の本殿
1604年に徳川家康によって建てられました。二重の楼閣造で棟高45尺(約13.6m)、浅間造りと称します。1階は5間4面葺卸の宝殿造り、2階は間口3間奥行2間の流れ造りで共に桧皮葺(ひわだふき)です。この本殿は、国の重要文化財にも指定されています。
ご祭神とご利益
【主祭神】
木花之佐久夜毘売命(コノハナノサクヤヒメノミコト)
【相殿神】
瓊々杵尊(ニニギノミコト)、大山祇神(オオヤマヅミノカミ)
【ご利益】
家庭円満、安産、子安、除災など
富士山本宮浅間大社の信玄桜
武田信玄が手植えしたと伝えられています。信玄はこの神社をとても尊敬していました。
富士山本宮浅間大社の湧玉池と咲良みくじ
「湧玉池(わくたまいけ)」は、富士山の伏流水からなり、1年間を通してほとんど増減せず、毎日約20万トンの水が湧き出ています。水温は1年を通して13℃前後で安定しています。この湧水は、富士山の雪解け水が地下の幾重もの溶岩層を抜けて、長い年月をかけて湧き出してくる「富士山御霊水」です。また、湧玉池の水は、境内の横を流れている神田川の水源となっています。
また、「湧玉池」は、2008年に環境省により「平成の名水百選」の一つに選ばれました。
拝殿右から湧玉池にいけます。湧玉池の手前その左奥にあるのが末社・天神社で、ご祭神は菅原道眞公です。
湧玉池に浸す咲良みくじ
『富士山御霊水 水屋神社』と書いてある付近で、池に浸します(写真上)。何も書いてない上段右の桜の縁取りの中に「八 中吉」など、数字と結果が出ます。願い事・金運・仕事・恋愛について占えます。
おみくじは、拝殿前のおみくじむすび所に結えます。
「beauty of mind and body — 心も体も美しく」。人気のお守り『美守』です。心身を清くしていただけます。
富士山を神として信仰する「富士山信仰」では、富士山に登る人々が登山前にこの湧玉池で身を清めるという習慣がありました。
湧玉池にある稲荷神社
橋を渡った先にある厳島神社
とにかく水がきれいです。
富士山本宮浅間大社の御朱印
御朱印おまけ(用紙クリップ)富士山本宮浅間大社前のお宮横丁
お宮横丁は地元のグルメを楽しむ絶好の場所です。例えば、「富士宮やきそば」を提供する店や、富士山の湧水で作られたジェラートを提供する店などがあります。
また、富士山の湧水を飲むことができる井戸も設置されています(無料)。
まとめ
この記事では、主に身延山久遠寺のしだれ桜と富士山本宮浅間大社の信玄桜をメインに紹介しました。しかし、20日前後が寒かったため、両方の桜は4分咲きでした。ツアーに申し込んだ2月の前半には、この日2月27日が満開の予定でした。ツアー日が満開になるのは、なかなか難しいですね。
それでも、身延山久遠寺と富士山本宮浅間大社は由緒ある神社仏閣であり、見どころが豊富です。
特に、身延山久遠寺には、今回周ることができなかった日蓮聖人御墓御草庵跡があります。桜の季節でなくても、ぜひ訪れたいと考えています。
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身延山久遠寺のしだれ桜・富士山本宮浅間大社のソメイヨシノ 日帰り1日間
※当記事の内容は個人の感想を含み、諸説ある話の1つを基に作成されているため客観的な事実を表すものではありません。 また、特定の説を支持したり、異なる説を否定したりするものではないことをご了承ください。 なお、内容についてのご質問はお受けいたしかねます。
この記事を書いた人
渋谷 良久
2007年頃から、年に2〜3回趣味で日帰りバスツアーに参加していました。
当初は、はとバスをメインに、読売旅行、クラブツーリズムなどを利用していました。
2017年頃から神社に興味を持つようになり、(株)四季の旅のツアーに参加するようになりました。
カメラを持ってあちこち動いていますが、皆さんのご迷惑にならないよう気をつけています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。