二年参り(イメージ)
12月31日の夕方から元日の朝まで泊まり込みでお参りします。
目次
年末詣(ねんまつもうで)とお礼参り
「年末詣(ねんまつもうで)」をご存じでしょうか。12月中に「お礼参り」と「新年の祈願」をかねてお参りすることです。ですから、年末詣は「お礼参り」と似ていますが、違います。「お礼参り」は祈願したことがかなった時に、一年以内に行くことがすすめられています。ですから、多くの「お礼参り」は年末に行くことが多くなるようです。しかし、「お礼参り」には、新年の祈願をすることはありません。あくまでお礼で、感謝を伝えるお参りなのです。
この記事では、「年末詣」について説明しています。また、「年末詣」に気軽に行けるよう、神社仏閣バスツアーの老舗ともいうべき四季の旅ならではの「年末詣&お礼参り」バスツアー にもリンクしていますので、あわせてお読みください。
年末詣(ねんまつもうで)にご利益がある3つの理由
初詣と年末詣の混雑の違い(イメージ)
12月13日は神社の煤払い(すすはらい)
一般の家庭や会社では大掃除は12月31日までにすませますが、神社にとっての大掃除は12月13日です。この日を、「煤払い」といいます。境内の掃除、建物の修理などを行います。ですから、12月13日以降は神社が一番きれいな時なのです。神職の人々だけでなく、神様もリフレッシュされて人々の願いをかなえてあげようとなるのではないでしょうか。
冬至(とうじ)は新年!
一年で日照時間が一番短い日を「冬至」といいます。毎年12月20日から22日になり、以後日が長くなっていきます。このことから、世界各地では冬至=新しい年の始まりと考えられるようになりました。また、新しい年の始まりには神様も力一杯人々の願いをかなえようとなさり、冬至以後は願いがかなう=ご利益をえやすいといえるのではないでしょうか。
年末詣のメリットとデメリット
【メリット】テレビで初詣を見ていても、実際に初詣に行っても長蛇の列が当たり前。これだけの人々が、一斉にお願いごとをします。その多さにきっと神様も疲れてしまわれるのではないでしょうか。
また、年末詣に行かれるほうが、後ろに並んだ人々のことを考えることもなく、ゆっくりお参りできます。それだけ感謝と祈願を神様に落ち着いて伝えられます。さらに、乳幼児や小さなお子さんを連れてお参りする人々には、迷子の心配もなく安心してお参りできます。
【デメリット】
基本、デメリットはありません。年末詣はなじみがないため、多くの人々にとって新年の願いはやはり初詣と思い込まれているだけなのでしょう。
→ 年末詣&お礼参りバスツアー特集|四季のバス旅
年末詣とは?
「二年参り」は「年籠り(としごもり)」が起源
「二年参り」とは12月31日の夕方から元日の朝にかけて神社に泊まり込み、家長(家の代表)が地域を守る氏神様に家内安全や商売繁盛を祈願することです。あまり一般には知られていない「二年参り」は、「年籠り」が起源だそうです。
年籠りを起源とし、江戸時代頃から、大晦日の午前零時前にお参りして新年を迎えるようにもなり、これを二年参りという。
とあることから、二年参りが年籠りを起源とする行事であることが分かった。
[レファレンス共同データベース]
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000298522
また「年ごもり」という言葉が出てくる文献では、次の二つがあります」
『後拾遺和歌集』平安中期作
「年ごもりに山寺に侍りけるに」
『義経記』室町期
「羽黒山伏の熊野に年ごもりして下向し候」
年末詣と初詣
この「二年参り」の大晦日のお参りが「年末詣」になり、新年のお参りが「初詣」になりました。しかし、年が経つにつれて、「年末詣」は忘れられ、「初詣」だけが残りました。年末詣では、新年の願いをしてもよい
お礼参りをしてから、新年の願いをしてもかまいません。そう考えれば、年末詣はあまり良い表現ではありませんが、一石二鳥といえるのではないでしょうか。年末詣——願いが叶わなかった人もするべき?
明石家さんま氏の名言ではありませんが「生きてるだけで丸儲け」で、生きているだけで幸せなことです。人が生きていられるのは、多くの人々に助けられているからです。たとえば、毎日の食事一つとっても、その食材—お米、味噌、野菜、魚や肉など—は、多くの人々によって提供されています。ですから、「今年も生かさせていただき、ありがとうございます」と感謝を伝えましょう。そうすれば、すっきりとした気持ちで新年を迎えられます。
年末詣のオススメ参拝日
12月31日
年末詣の起源から、オススメ参拝日は12月31日夕方以降になります。12月13日の煤払い(すすはらい)以降
神社では、12月13日に「煤払い」(大掃除)をします。境内の清掃や建物の修繕などが行われ、14日以降はきれいに整えられ、清々しい空気が境内に流れます。初詣の賑わいが好きな人は別ですが、神様に落ち着いた気持ちでお参りしたいならば、12月14日以降がおオススメです。
12月22日(冬至)以降は超オススメ!
一年で日照時間が一番短い日が「冬至」。毎年12月22日(20日・21日もあり)で、以後日が長くなります。このことから、世界各地では冬至=新しい年の始まりと考えられるようになりました。旧暦では、12月22日の冬至の前後が元旦でした。新しい年の始まりに、神様も力いっぱい人々の願いを叶えようとなさるのではないでしょうか。ですから、年末詣は12月23日から31日までが、超オススメ日といえるかもしれません。
→ 年末詣&お礼参りバスツアー特集|四季のバス旅
年末詣・お礼参り&悪い祈願と良い祈願
年末詣のお礼参りと新年の祈願
年末詣は、お礼参りのひとつとも言えます。お礼参りは神社で祈願したことがかなったことに感謝することで、一年以内に行くことがすすめられています。ですから、年末詣とお礼参りは違います。年末詣では、1年間のお礼参りと新年の祈願をすることができます。ところで、年末詣に行かれる時、一年間守っていただいたお神札やお守りを忘れないように持参してください。けっこう、忘れる人々が多いようです。
【祈願の手順】
- 〇〇〇〇〇神様(と呼びかける)
- 自己紹介:住所と名前を伝える
- 一年の感謝を伝える
- 新たな願いを伝える。基本は自助努力で、神様に見守ってもらう姿勢と他者を喜ばせたい思いが大切!
- 最後に一礼
悪い祈願はどこが悪い?(事例)
- 絶対に宝くじに当たらせてください。
- 同僚の〇〇より、早く出世させてください。
- 〇〇大学、〇〇高校、〇〇中学に必ず受からせてください。
- 今年こそは、彼女をゲットさせてください。
- ダイエットに成功させてください。etc.
良い祈願(事例)
- どうか息子が受験に合格しますように。そのためには、私たち夫婦も息子の健康に配慮し応援いたします。どうか、神様も見守っていてくださいますように。
- 今年こそは彼女をゲットさせてください。そして、結婚できれば、年をとった両親も喜んでくれると思います。
- 今年は〇〇〇資格を取ろうと決意しております。合格して、妻と子を喜ばすことができれば幸いです。神様、応援してください。
- わたしは子供もが好きなので、保育士になりたいと考えています。子供が健やかに育っていけるよう、微力ながらお手伝いがしたいからです。そのための勉強なら、喜んでやっていけます。どうぞ神様、この願いを応援してください。
- 会社のため、仲間のため、家族のために良い仕事ができるようお願いいたします。そのため日々精進してまいります。お力添えをお願いいたします。etc.
年末詣・知っておきたいお参り作法
鳥居のくぐり方
鳥居をくぐる時が、参拝の始まりです。- 鳥居の前で立ち止まり直立します。
- 上体を15度ほど傾け(頭ひとつ分ほど)、1秒間止めます。
- 上体を起こして歩きはじめます。
参道の歩き方
基本、参道の中央を歩いてはいけません。中央は神様が通られます。また、「右側通行か、左側通行か」には目安があります。手水舎がある側を歩けば、問題ないでしょう。ちなみに、伊勢神宮には決まりがあります。外宮(豊受大神宮)では左側通行、内宮(皇大神宮)では右側通行になります。
手水舎の作法
- 右手でひしゃくの柄を持ち、水を汲み、左の手のひらを清めます。
- ひしゃくを左手に持ちかえ、右の手のひらを清めます。
- 再度ひしゃくを右手に持ちかえ、手のひらに水をそそぎます。
- 水を口に含んで清めます。
※ひしゃくを口につけてはいけません。 - 再度、左の手のひらを清めます。
- 両手でひしゃくの柄を持ち、垂直に立てて柄を清め、元の位置に戻します。
お賽銭と参拝の作法:二礼二拍手一礼(にれいにはくしゅいちれい)
お賽銭は乱暴に放り投げてはいけません。基本、そっと賽銭箱に入れてください。初詣の場合は混雑のため放り投げることもありますが、これは例外とお考えください。- 軽くお辞儀をする。
- お賽銭を入れる。
- 鈴がある場合、鈴を鳴らす。
- 直立して、二度礼をする。
- 柏手を二度打って手を合わせてお祈りする。
二度めはやや右手のひらを手前にずらし、打った後両手のひらを揃えます。
右手は人を表し、一歩下がって神様を讃えます。また、手のシワを合わせることが、語呂合わせで「幸せ」につながります。
①〇〇〇〇〇神様(と呼びかける)
②自己紹介:住所と名前を伝える
③一年の感謝を伝える
④新たな願いを伝える - 最後に一礼する
[ご祈祷]を受けてみてはいかがでしょうか
「ご祈祷」は拝殿の中で受けられます。年末詣ならご祈祷を受けられる人々も混まないので、受けやすくなります。ご祈祷料は、「ご祈祷の受付」場所で納めます。- 拝殿に入る
- 修祓(しゅばつ—お祓い)を受ける
- 穢れを清める祓詞(はらえことば)→ 神様をたたえる祝詞(のりと)→ 祈願(きがん)
- 参拝者から「玉串(たまぐし)」を神様に捧げます
- 「直会(なおらい)」盃でお神酒をいただく
- 授与品をいただく(主にお神礼、その他)
神様の前ですから、男性は背広と白のワイシャツとネクタイを着用します。色は黒またはダーク色で、ジャケットとズボン(上下の色違い)はさけます。女性も同じように、黒かそれに近いワンピースで、フォーマルを意識するとよいでしょう。
現在では服装はフォーマルでなくてもご祈祷を受けられますが、きちんとした清潔な服装を心がけましょう。
おみくじ・お守り・絵馬・御朱印
おみくじ「大凶」が出たらどうする?
おみくじで「大凶」が出たら、あなたはどうしますか? じつは、おみくじは引き直してもかまいません。(実際に、出雲大社の神職の人に聞きました)
また、おみくじは持ち帰ってもいいということを知っていましたか? ほとんどの人々が「大吉」が出ても、指定の場所に結んでいらっしゃるのではないでしょうか。良いおみくじは持って帰って、財布などに入れておいてもいいのです。
ところで、おみくじは引いた人の捉え方に意味があります。たとえ「大凶」や「凶」であっても、これは神様が「自分を見直しなさい」と教えてくださっていると捉えれば、自分の短所を見直すチャンスになるかもしれません。
お守りは開けてはいけない、その理由
ご神木が入っている三峯神社のお守り
お守りの起源は、縄文時代に魔除けとして身につけた勾玉が始まりといわれています。お守りの中身ですが、主に紙や木片(ご神木)で、神職が「御霊入れ(みたまいれ)」という祈祷後、袋に入れます。その袋は神様の力が逃げないように、しっかり紐で閉じられます。
神様の力が逃げないように、お守りはけっして開けてはいけません。
お守りは1年経ったら、いただいた神社仏閣に返しましょう。遠くの神社仏閣の場合、一応確かめてから郵送します。あるいは、近くの神社仏閣でお焚き上げしてもらいます。お守りは返さなくてもいいのですが、年々その効果は薄れていくといわれています。
絵馬(えま)って、どこに願いを書くの?
通常、絵馬の裏面に願い事を書きます。個人情報がわからないように、大まかな住所と名前(名字やイニシャル)を書いておきましょう。「絵馬」の始まりは、奈良時代に神馬(しんめ)を奉納したことが始まりです。神馬のかわりに今のような形になりました。
御朱印のいただき方
御朱印は「社務所」でいただきます(境内図などで「社務所」を確認しておきましょう)。御朱印は参拝の証明ですから、元来参拝した後にいただきますが、バスツアー などで時間がない場合は、先に御朱印帳を社務所にあずけておきましょう。また、混んでいなければ、御朱印帳に直に書いてもらえます。混雑している場合やバスツアーなどで時間がない場合は、すでに参拝日が書かれている「書き置き」の御朱印にします。御朱印は参拝の証明ですから、どちらも同じです。
年末詣おすすめバスツアー[神社仏閣の老舗バスツアー会社・四季の旅が厳選]
年末詣は地域の氏神様にお参りすることから始まりましたが、お好きな神様や神社仏閣にお参りしてもかまいません。
神社仏閣の老舗バスツアー会社・四季の旅が、皆さんをバックアップする年末詣とお礼参りのバスツアー・プランを厳選しています。
埼玉県・茨城県・千葉県・栃木県・群馬県・静岡県・長野県・三重県・島根県・滋賀県・和歌山県からの豊富なバスツアー・プランです。きっと、あなたが行きたい神社仏閣が見つかります。
→ 年末詣&お礼参りバスツアー特集|四季のバス旅
「年末詣」まとめ
「年末詣」とは、12月中に「お礼参り」と「新年の祈願」をかねてお参りすること。そしていかに「年末詣」にメリットがあるか、お話しさせていただきました。また、「年末詣」をする時のお参りの作法とどんな祈願が良いのか? などもお話しさせていただきました。
「年末詣」に行ってみたくなりましたでしょうか。「年末詣」は身近な氏神様(地域を守護されている神様)にお参りしてもよいし、自分の好きな神様がいらっしゃる神社に行かれてもかまいません。
では「年末詣」に行って、お礼参りと新年の祈願をしっかり神様に伝えましょう。
伊勢神宮の日の出
※当記事の内容は個人の感想を含み、諸説ある話の1つを基に作成されているため客観的な事実を表すものではありません。 また、特定の説を支持したり、異なる説を否定したりするものではないことをご了承ください。 なお、内容についてのご質問はお受けいたしかねます。
この記事を書いた人
渋谷 良久
2007年頃から、年に2〜3回趣味で日帰りバスツアーに参加していました。
当初は、はとバスをメインに、読売旅行、クラブツーリズムなどを利用していました。
2017年頃から神社に興味を持つようになり、(株)四季の旅のツアーに参加するようになりました。
カメラを持ってあちこち動いていますが、皆さんのご迷惑にならないよう気をつけています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。